
虫が多い理由
地方に移住してまず驚くのが、夜間走行後にフロントバンパーやフロントガラスが虫の死骸で覆われている光景でしょう。
農地や水辺が点在する環境では、水生昆虫や蛾、カメムシといった光に集まる種類が都市部より豊富で、街灯の少なさゆえに移動中の車が巨大な誘虫灯になりやすい構造的問題があります。道路脇の草地や用水路は繁殖場となり、羽化直後の個体が一斉に飛び立つハッチの時間帯と重なると、短区間でも大量の虫がボディに付着します。
車速が上がる郊外バイパスでは衝突エネルギーが高まり、虫のタンパク質が塗装やガラスに焼き付きやすいのも理由です。多様な生態系が残るゆえの豊かさの裏返しと覚えておきましょう。
塗装を守る除去方法
虫の残骸は酸性で、夏場の直射日光下では2〜3時間でクリア層に染み込む恐れがあります。
帰宅後できるだけ早く洗車を行うことが最重要です。ぬるま湯でボディ全体を予洗いし、乾いた部分に《重曹4杯+ぬるま湯1リットル》を溶かした自家製クリーナーをマイクロファイバークロスで優しく塗布します。
3分ほど置くと重曹の弱アルカリがタンパク質を分解し、円を描くように撫でるだけで落とせます。硬化している場合は虫取り専用スプレーを使い、5分放置してから高圧水で流してください。研磨剤入りスポンジやメラミンは塗膜を削るためNGです。フロントガラスには撥水コーティングを施すと虫が固着しにくく、雨天の視界も確保できます。最後にボディへガラス系コーティングを施工しておくと、次回からの洗浄時間を半分以下に短縮できます。
走行前後の注意点
走行前はウォッシャー液残量とワイパーゴムの状態を確認し、深夜・明け方の移動には虫取り用の予備液を携行しましょう。
高速道路ではサービスエリアでこまめにガラスを拭き取り、視界確保を優先してください。夜間はヘッドライトの光量が強いハイビームを多用すると誘虫効果が高まるため、対向車がいない直線ではロービーム+フォグで十分な場合もあります。
帰宅後はエンジンが冷め切る前にラジエーターグリルを点検し、ハチやアブが詰まっていないか確認しましょう。虫が残ったまま高速走行を続けると冷却効率が低下し、オーバーヒートの原因になります。
カメムシなど臭腺を持つ昆虫はエアコンフィルターに入り込むと独特の刺激臭を残すため、シーズン終わりにフィルターを交換し、外気取り入れ口を弱めのエアブローで清掃しておくと快適さを保てます。
地方では道路沿いに飛来した虫を狙うコウモリやフクロウなどの野生生物も増えるため、急停止・急ハンドルを避け、路肩に落ちた昆虫の死骸を踏んで滑らないよう速度調整を忘れないでください。
夜の田舎道は昆虫由来の危険予知まで含めた安全運転が欠かせません。